初めての漫画技術
ここではマンガを描く上での基本的な構成やテクニックを箇条書きしています
場面が切り替わったら風景を
話が進んでいくことで場面・場所が変わるということは当然あろうかと思いますので、その際には切り替わったことを明示するためその場所の背景を描く事が基本とされています。
登場したてのキャラは全身を描く
各キャラが初めて登場したときはなるべく早い段階でそのキャラの全体の風貌をつたえるため全身を描いたコマ割が必要とされています。
吹き出しは7行以内に
長いせりふはあまり好まれません。ひとつの吹きだしに入れるせりふは7.8行以内にとされるのが定説ですが、プロでは余裕で行数オーバーしているのもまた事実wあまり神経質になる必要もない気もしますが、基本も出来ないでいいマンガが出来るかという考えもあるので、とりあえずは基本に忠実であってもいいのではないでしょうか。
説明くさいせりふはナレーションで
状況説明を違和感なくせりふに盛り込むことは理想的ですが、どうにもキチンと説明しなきゃ、理解してもらえないんじゃないかというときはナレーションを利用します。いわゆる四角い吹き出しです。勿論、多様は避けるべきですが、読解力をより強めたいのであれば利用する手段となります。
物語の出だしは2パターン
物語の始まりとしては、背景から映し、どこの場所で何をやっているという順序良く描写していく読者に理解度を高めるパターンと、いきなりキャラクターがどたばたして何かしらの「最中」を描くことで読者に「何をしているんだろう」という興味を持たせるパターンの2通りが大別されます。自分の物語にあった出だしをチョイスしましょう。
効果線
キャラクターの物理的、精神的な勢いを表現させる効果としてつけるものです。均一に線を引かず、適当な間隔をつけることでスピード感を強調します。
主な効果線
端から端まで線を引くタイプ:
スピード感を表すために使う。上記イメージのような変なポーズでもそこそこ動きが感じられるw
線を途中で切るタイプ:
端まで描くタイプをスピードに乗っている表現とするならば、こちらは初動の動きを表す表現というところかな?まぁ抑え目な速度表現でしょう。ただ速度の描き分けは端まで描くのでも線を描き込む本数の増減で表すことも可能。
集中線:
突進の表現や焦点を合わす表現などによく使われる。描き方は事前に中心部にに鉛筆で「点」を描いておき、それに定規をあわせ線を引いて行く。
トーンのぼかし方・削り方
トーンを削るにはカッターの先端を使い削っていきます。エッジを効かせた削り方は定規を使いつつなりなんとなくのニュアンスで、そこそこ見れたりするものですが、ぼかし方に関してはちょっとした法則があります。
トーンの網目は大体45度/135度の角度で配列された網目で出来てるわけですが、これをうまくぼかすには80度/100度の角度ぐらいで削っていくと案外上手くぼかすことができます。下段の削った画像は実際のものではなく、画像ソフトを使って再現してるので実際削る際、終わりのほうの力を抜く加減というものが再現できないためぼかし加減としてはいまいちですが、実際にはもうちょっとマシなり、また慣れてくればいい感じのぼかし方が作れます。
図1:青い×がトーンの配列角度。赤い×がカッターの先端で削っていく角度
図2:赤い角度で何度も画像ソフトの白色ペンで何度も上からなぞった。ここを実際にはカッターで行う。
図3:軌道の参考として白色を黒に直すとこんな感じ。
背景の距離感の描き方・遠近法
よくマンガ入門みたいなもので背景の遠近感を出す手法として紹介されるのが遠近法です。効果線で紹介している集中線と同じく点を打つことで建物の奥行きを表現させる線の部分をそこへ向かって描いていくものです。
一点透視:赤い点が消失点。奥行きを表現させる部分だけその点に向かって線を描く。
二点透視:角を境目に横の線に別々の奥行きをさせるもの。
消失点が二つになるので二点透視となる。
一方でデッサンでの奥行きの測り方の紹介はあまり浸透してません。こちらの手法は完全に目測で描く要素が収まる大きな奥行きのあるボックスを描いておき、その軌道を目測要素にして描いていきます。
デッサンでの奥行きの測り方:箱の中に納まっているのが実際のコマ割り部分。
コマを収めているボックスの奥行きを参考に実際の背景をフリーハンドで描いていく。フリーハンドとはいえペン入れの際は当然定規で引くことになるのでこの例はやや雑だが実際にはなるべく丁寧に描く方が良い。
関連ページ:初めての漫画の描き方