模写のポーズよりも走っている印象を強くするには
前回、模写した中で走っている感1位2位と感じたポーズよりも上回るポーズをという趣旨で参考対象を見ずに描いてみました。
正面の絵は大差ないのですが模写の絵では左腕がやや内側へ倒れ気味だったのでアレンジ後は腕を起こし、踏み出した右足のモモが引きあがるトップの状態に近くすることで若干の変化をつけた感じです。
一方サイドの構図は幅を取るという意識での作成ですのでポーズ自体の原型はあまりありません。アレンジ後は上体が前傾姿勢となり、腕の振りも大きくし、踏み出した足もトップの状態ということで大きな差が現れていると思います。
これらのアレンジ後の動きを描くにあたって前回の走るポーズの基本属性として「重心が下に感じるように」「動きが大きく見えるよう幅を取る」の二点を挙げ、膝の曲げ具合、横幅は手の振り方などをポイントにあげてみたのですが、色々描いてみて重心に関しては膝ではなく上半身の傾斜が表現できてれば重心は自然と下がる傾向が強いようです。
正面の構図の場合、極端な言い方をすると首をなくす、顔を体に埋めるなどの言い方をすることで前傾を感じさせられる表現になりますが下の画像で前傾有り無し、膝の曲げ伸ばしなど比べてみました。
やはり少なからずとも前傾があるほうが走っている印象は強まりそうです。膝の曲げ伸ばしに関しては適度な曲げは重力を感じさせる描写と言えスピード感より力強い走りの描写をする際に適している印象です。だからと言って極端に曲げすぎたら左から3番目の絵を見ても解るように、不自然でドラクエの泥人形です。そして前傾がありつつ膝は伸びきるポーズですが重心そのものは適度な膝の曲げよりも劣りますが極端に上のほうへ重心が感じるものでもなく疾走感はむしろこちらの方が上かもしれません。
失敗例からみる留意点
上に述べてきたことを要約すると走りの基本属性は「前傾姿勢と腕の振りの大きさ」ケースによっては適度な膝の曲げを意識してみようと言う方向性を出したわけですが最も基本的部分である手足の連動性を見落とさないように気をつけたいものです。
横にある画像は腕の振りにだけ意識を強くしすぎて失敗した例ですが腕と足の連動性がまったくなく腕の前後の振りは伸びきったトップ状態に近いものですが足はモモの引き上げや踏み出しが弱く始めの一歩であるかのような歩幅のためアンバランスなポーズとなったと思われます。腕を大きく振っているのなら当然ながらも足も踏み出している側はモモの引き上げがトップの状態・軸足は引いた状態でなければなりません。ただし裏を返せば足の遅いキャラクターの書き分けにはこのような手足の連動性のないポーズを描く事で表現が可能となります。
正面とサイドの構図の特徴
もともとこのテキストを書こうと思ったきっかけは力強い方の走り方のほうの表現のきっかけを見つけたくて始めたんですが走ってる感1位2位のアレンジ前後、共に共通しているのは走りに重みがあるのが正面、動きがあるのがサイドの構図と思っています。サイドのポーズが軸足が伸びているからという気も最初してたんですが膝の曲げの比較のところで正面の構図でも軸足を伸ばしたのを描いてもやはり動きの要素ではサイドの方が個人的には感じています。ここには載せていないものの正面の構図で採用している適度に膝を曲げるポーズをサイドの構図でやったらスキップしているような感じになってしまいましたw
実力のある人であれば構図に関わらずきちんとした書き分けもできるのでしょうが、実力が未熟な私や試行錯誤を重ねている人らは描こうとする走り方に何の特徴を持たせたいのかによってポーズと共に構図にも留意していきたいものです。
関連ページ:走り方の基本属性とは