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漫画考察 漫画の描き方を考える

【眼力(メヂカラ)のあるキャラ】
目は口ほどにものを言うという、ことわざのごとく漫画のキャラクターでも「目で語らせろ」的な格言をしばしば耳にします。では目に力を持ったキャラクターとはどんな雰囲気のことか考えてみました。

眼力のあるキャラの基本属性

まず、ブログの方でチマチマ考えてたことを要約すると、目が大きい、目と眉の間隔が狭いというのをあげました。で、以下の画像で比較してみました。目の小さい大きい、眉の間隔が広い狭いを極端に差をつけてみました。
眼小さい、眉幅広い 眼小さい、眉幅狭い
眼大きい、眉幅広い 眼大きい、眉幅狭い

とりあえず、見る側が目のほうに視線が行くということが「眼力がある」ということであれば目が大きいほうに眼力があるのは確かのように思います。そして、眉と眼の間隔が狭いものは凛々しさを増すといったところでしょうか?これらのキャラにせりふとつけるとしたら眉との間が広いものには「ん~~」と、伸ばし棒を付ける感じで、狭いほうでは「んっ」というアクセントがついているように感じます。

眼力のあるキャラの応用属性

続いて応用編の手法として眉を隠す、眼の輪郭腺を太くという考えをだしました。
眼大きい、眉幅狭い 髪で目を隠す
髪で目を隠し、目の輪郭太く 眉を隠し、目を太く、陰影追加

眉無しと有りの比較としては眉が隠れていると『何かを見ている感』が強まっている印象はあります。ただ見る側の視線として眼への注視が薄れた感じもします。そこで改めて目に視線を誘導するのが眼のラインを太くすることで可能なのではと思います。

当然これらの描写は各々のタッチによって変わるものでもありますので各自更なる応用が可能ですし、求められます。上記右下の画像のように陰影を付けることでさらに迫力を付けることで怪しい・不気味な雰囲気を増やしたり、眼の輪郭の太さも線の細いタッチの人はトーンで陰影として扱ってみたりすることができるでしょう。髪で眉を隠すのも帽子や、バンダナといったアイテムでの応用も出来ます。

虹彩の変化で眼力は増すか

さらに瞳そのものに効果を増やすことで、眼力の強さが増すか検証したものです。まずは虹彩だけを追加した2パターンとそこから瞳孔も描写したタイプのものです。
瞳の虹彩パターン1 瞳の虹彩パターン2
瞳の虹彩パターン1+瞳孔を描写 瞳の虹彩パターン2+瞳孔を描写
とりあえず虹彩を追加したことで眉を隠してしまった段階では人物に暗い印象でしたが、若干前向き感のような「陽」的な部分が復帰しています。ただディフォルメ絵では瞳の中だけで輝いてるパターン1と白目まで輝きの及んでいるパターン2との絵の違いはそれほどありません

そして下段の瞳孔の追加したバージョンですが、個人的には力感が明らかに増加した印象を持ちます。瞳はカッと見開いているのに焦点はより一点に集中しているような感じでしょうか。ただ陰影描写と同じく怖さ・不気味さもかねそろえた印象です。虹彩のパターンそのものはこちらもそれほど差は感じないですねぇ。ブログで検証したときには多少の差は感じているので写実度が上がってくると効果が感じてくるのかもしれません。

眼力をテーマに実際の制作において

以上のことを踏まえて、実際にビジュアルページの方で(閉鎖中)眼力をテーマにイラストを描いたわけですが、作業中に気付いたのはレイヤーの視覚オンオフしていたら鼻を描かないことで眼への印象がさらにアップするということ。当然普段から鼻がないのはおかしいので光が強い特別なシーンとかで描写に限られるとは思うのですが一つの手法としてはありかなと。

そして、前述した瞳孔の描写で眼力は上げつつも怖さを抑えるのはやはり瞳の色を濃くしていくことが必要なのかなと。漫画の白黒のケースであればただ瞳に虹彩と瞳孔の黒丸を描くよりも、トーンを貼るなどをすれば鋭さなどの印象を抑えられ、逆に鋭さを増したいのであれば薄い瞳が有効ということになります。ただし虹彩までなくしてしまうと感情の感じられないキャラになってしまう感じですのでご注意を。
鼻なし画像 瞳の色が薄いと鋭さが増す


関連ページ:復習:正面の描き方と眼力

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