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よく見る演出を考える/繰り返し
よくみる演出手法を自分なりに解釈してみて、その効果を洗い出してみようという意図の下、今回は「繰り返し」の表現について考えました。


事の発端は大河ドラマである言葉の繰り返しが行われていたシーンを観て個人的にいい感じに思えたためその効果を探ってみようと思った次第です。

そのシーンは「龍馬伝」の1話であったのですが、要約すると主人公である坂本龍馬はのらりくらりとした雰囲気を醸し出しており周囲は大人だか武士としての凛とした姿勢を求めているのに、一向に変化の感じられず、龍馬の考えていることが全く理解できず呆れてる空気の流れる中、姉の乙女が龍馬の考えていることは何か?とをたずねると

「目くそはなぜ目尻からではなく目頭からでてくるのだろう」と答えます。

要は目”くそ”であるならば目”尻”からでるのが正しいのではないかということを言いたいわけですが姉の反応は当然冷ややかなものです。話の展開としても序盤中盤で行われたただの雑談の雰囲気です。個人的には目やにが多いときは目尻からも取れますけどねw

そして物語は進んでいき、土佐藩の階級制度で龍馬たちが辛酸を舐めるシーンなどが描かれた後、再び階級が上の人たちとのトラブルが起き、龍馬は「武士の上級・下級、農民との差別を取っ払うにはどうしたらいいか」という真面目な考えが初めて1話の終盤で描かれました。後はエピローグ的に周囲の人たちも「なぜ目くそは〜・・・」と口々にしていった。というような構成です。

演出的意図と意味

今回の焦点である繰り返し的演出部分は周囲の人々が「目くそ〜」を口々にしていく所に当たるわけですがこの情景自体には何を意味しているのでしょうか?「龍馬のスケールの大きい考えへの感化」だと個人的には捉えました。

ではなぜ身分撤廃の方を口々にしていかないのでしょうか?周囲が感銘を受けた直接の言動はこちらのはずです。当時の時代背景からみると荒唐無稽なものでもありましょうし、身分が上のものに耳にされたら厄介になる可能性もあるのでしょうが演出的な視線から見ると「柔らかい方が視聴者に雰囲気を感じ取ってもらいやすい」ってことなのかなと。

真面目な思考は「堅い」ものであり、堅い事象がいきなりフラット状態である人々(視聴者)に共感させることは困難であることが多いはずです。構成的にもいきなり一話で堅い話にしたらクライマックスみたいで視聴者を置きざりにする可能性があります。(スタートダッシュを求める層がいるのも確かですが)

現在にあてはめてみても朝礼で社訓を繰り返し発声させる会社や、訳わからん啓発セミナーで目標や理想の高い一直線で堅い言語を繰り返す映像を予備知識なしに見せられたら多くの人は感化・共感などせずに胡散臭い印象で終ると思ってます。

一方、柔らかい事柄であればその行為において演出的にも実話の状況でも受け入れられる・もしくは受け流せる可能性が高く「拒否される」という要素が少なくなり作品であれば各視聴者に冒頭で見ない烙印をいきなり押されることもなく「なんかいい」と「まだ様子見してみるか」という層を維持できそうです。

もちろんスピードダッシュを求める層は確実にいますし、それらの展開が退屈と感じたりすれば観ることを続けることを拒否される場合もあり、兼ね合いが難しいことに変わりはありません。

よくみる繰り返し演出の手法パターン

ここでは繰り返し要素としてよく使われているパターンを箇条書き的に列挙します。

●同じ構図の繰り返し
人物ではさりげない動きの描写を伝えるためだったり、圧倒的な力の表現に使われたりと対極的な使用が多いかもしれません。前者は無表情から怒ったり笑ったりのただ眉をひそめるといった微妙な変化も表現されます。後者は静の状態から爆発シーンが起きたり、居合い切りとかだとキャラクターは動かずとも対象物は次のコマで真っ二つなど。いずれにせよ「明確にその状況を示す手法」と思われます。さりげない動きでもハートウォーミングな作品であれば重要な演出となります。商業作品ではよつばと! なんかがそうかもしれませんね。

またアレンジバージョンとして同じ構図でも引き絵からアップ絵への変化、またその逆といったものも見受けられます。強調要素が上がることの狙いといったところでしょうか。

●言葉・口癖の繰り返し
キャラクターの口癖はその人の個性・性格設定をより高めたり、それを糸口にストーリー展開させることが可能です。要所要所に散りばめておくことでその言葉で話の収拾をはかることも可能であり、作り手の高い手腕によっては心地よい読後感を提供できる可能性を秘めています。

●行動の繰り返し
勧善懲悪系によくみられる演出でしょうか?いわゆる必殺技や水戸黄門の印籠といった絶対的なアイテムの提示で話の決着を図ります。もちろん話の糸口とすることも可能ですので基本的には言葉の繰り返しと同じ属性であり、両方を絡めて高度な演出に持っていくことが面白い作品作りの手がかりの一つになるかもしれません。

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