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漫画考察 漫画の描き方を考える

【正面の構図の効果とは】
構図には俯瞰(ふかん)、あおりなど色々ありますが正面を向いた描写をすることでどんな印象を与えたり演出上、どのような効果が期待できたりるか考えてみました。

正面絵でよく見る状況

正面の構図でよく見る印象だと、張り合ったり、対決したりなどの正対するシーンでのキメ台詞や連続のコマ回りによる微妙な表情の変化の描写など前者がビシッと決める動的な表現とすれば後者は静的な表現と状況自体は限定せずに利用できるイメージはあります。

経過描写には不向きか否か

では、経過を描写する構図には不向きなのでしょうか?何かの最中をしているシーンを連想すると「つばぜり合い」「柔道で組み合う」「抱き合う」など早めに浮かぶ要素ではそんなに多用される印象はない感じがします。ただ前述した連続のコマで表情が変化する要素では延々と続く会話で同じ構図のまま表情の変化を変えていく場合なら正面の構図も適応されている場合がありますよね。なので使用条件自体は限定された構図ではないようです。

正面の構図だから出来ること

では、横の構図ではいまいちで正面の構図で生かされる表現はあるのでしょうか?最初に感じた始点・終点のイメージで状況を挙げてみると競争もので「スタートを切る」「ゴールに到達」などのスバリそのものな状況だと静的な表現ならあるかもしれません。動的ではそれほど使われている印象はやはり少ないかもしれません。

では、横の構図ではいまいちで正面の構図で生かされる表現はあるのでしょうか?最初に感じた始点・終点のイメージで状況を挙げてみると競争もので「スタートを切る」「ゴールに到達」などのスバリそのものな状況だと静的な表現なら横の構図もあるかもしれません。動的ではそれほど使われている印象は私にはありません。

では、見せ場で横の構図は使えないのかと言うと既存のプロ作品ですぐ思い出したのは弱虫ペダルの主人公とライバルのゴールシーンがあるのですが横の構図で存在はしています。でもやはり見せ場ではあるものの写真判定のような見せ方なので静的であって動的ではないのです。ただし、その前のコマに散々煽りまくりの動的表現が連発された結果による静的な見せ場となっているので見せ場として使用できた例なのでしょう。「最初にドンッ!」ではあまり使用されないでしょうし、正面の構図なら最初にドンは出来る可能性は高そうです。

一方で内容自体が静的な結末だとどうでしょう。結婚などの静か・穏やかなゴールインで終わった場合、横の構図だとあまり適切ではないかもしれません。斜向かい程度の構図ならバージンロードを歩くみたいな感じでありえるでしょうが真横に近い構図だと、あったとしてもキャラの表情を重視しないような凄い引き絵になる気がします。キャラたちを見せる終わりならやはり正面に近い構図となるでしょう。もちろん弱虫ペダルのようにラブコメなんかではドタバタとさせた動的な流れからのシメでさらっとした横の構図であれば可能な演出かもしれません。

このように「キャラの行い自体の動的・静的」と「演出として動的に見せるか、静的に見せるか」二要素のからまりによって構図は自由にアレンジは出来るようです。そもそも構図は単調にならないバリエーションを持たせる要素ですから正面を始めとした構図自体には型にはまった条件とはあまりないのかもしれませんが前述した「最初にドンッ!」などカットごとの起点の表現では使いやすい構図なのかもとは思います。

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