メニューリストへ
漫画考察 漫画の描き方を考える

【ストーリー制作 第一印象】 小説や漫画を始め数多ある創作作品の中から自分の作品を読み進めてもらうにはどうしたらいいか、その第一歩である序盤の構成について考えました。

第一印象で興味を惹かせるには

現実問題として、創作ストーリーを売って食べていこうとする場合は他の競合ライバルがいる中で自分の作品を目に留めてもらわなけければならず、当然ながら漫画雑誌に漫画を投稿して賞を獲りたいと思っている場合も他にも多数の人がいるわけで、最初の段階で気を惹かせる展開ができれば確率論としては望ましいといえます。では、目を惹く出だしとはなんなのか考えていきたいと思います。

第一印象で優れる視覚物

目を惹く出だし=最初の段階で気を惹かせる。
このような第一印象を好意的に捉えてもらうようにするにはどうしたらいいのでしょうか。たとえば映画のCMなんかだと劇中の見せ場の映像を見せたり、ネタとなりつつものでは「全米が震撼、ランキングNO.1」など過去の実績を述べるものがあります。

見せ場の映像を見せるというのはアイキャッチによるジャンル説明であり、ユーザーがその映像に惹かれれば作品の情報を調べだしたり、劇場に足を運んでもらう次の行動へ促します。全米震撼、ランキングNO.1はこれまでのユーザー評価や客観的データを伝えようとする手段であり【実績】を伝えようとしてるといったところでしょうか。

では、これを漫画の投稿読み切り作品にあてがうとどうなるか。全米震撼は一般投稿者は過去の実績がないので適応されませんので見せ場の映像を出すというのに絞られ、扉絵や話の出だしを漫画のクライマックスを連想させるものにするといった初めての漫画技術で書いた、物語の出だしは2パターンと題した、"いきなりキャラクターがどたばたして何かしらの「最中」を描く"といった手法が考えられます。

「最中」の表現

最中とは具体的に何を意味するものでしょうか?前述のキャラクターがドタバタしてという言葉を鵜呑みにすればアクション要素のある動きということになりますが、これでは心理描写などを重視した静的なテーマの漫画には不釣合いな動きとなります。ここでいう最中とは現象の描写ということであり、必ずしも体が動いてる描写が必要とされるわけではなく、その作品の象徴となりえるビジュアル、キャッチコピーとなりえるセリフの登場が望ましいのではないかと仮定し、話を進めてみましょう。

最中の基本構造

では、最中において基本的構造と思われるものとはなんでしょうか?パッと思いついたパターン二つを分析してみます。

●行動中による出だし
先ほど必ずしも体が動いてる描写が必要とされるわけではないといったばかりではありますがやはりドタバタした最中を描くという言葉をそのまま連想させれば一番オーソドックスな表現になるでしょう。古くは遅刻しそうな状態でパンをかじりながら走り、曲がり角で異性とぶつかるなど、すでに何らかの目的意識があるものについて行動を起こしている描写をしていくことになります。

●結果を示すという「最中」
既に何か起こった状況を描写します。「最中を描く」という言葉にあてがうと「?」な感じもしますが、その結果による影響を元にスタートをきる行動展開を描いていくこととなります。例をあげるならば、能力的に優れたその人の華々しいシーンという結果を表示し、その人に憧れた人の今後の行動を描写したり、優れた人そのものが現状は転落人生という設定の下、リスタートをきるストーリー展開などがありますし、サスペンス・ミステリーものではいきなり死んでしまっているシーンなどもありえるでしょう

両方の違いを挙げると前者はそのまま話の本質に展開していく可能性が高く、結果を示したものは内容をさかのぼったり、状況をリセットする構成をとることで一から状況説明していく・順序良く物語が展開していく読者への理解度を深めさせる「最中」といえ、「行動中」は読者になじみのある設定・状況であれば多くの説明的構成を省くことが出来、テンポのいい構成が可能になります。

「結果を示してから」という最中は読者になじみの薄い設定・状況でも、その舞台の雰囲気を最初に伝えておくことで興味を惹かせ読んでもらおうという手法として使うのが効果的と言えそうです。、二つの特性の違いから各人が考えた設定・展開にふさわしい「最中」を検討してみてはいかがでしょうか。


関連テキスト:初めての漫画技術

更新履歴

1月1日
ホームページリニューアル
1月1日
ホームページリニューアル
1月1日
ホームページリニューアル
Copyright © 2006 shibainu-fu-mi All Rights Reserved.